INOUEの仕事
「育種」

意外な展開の第一歩「農業支援」

農業資材普及で蓄積した
ノウハウを活かした新事業

当社はICボルドーをはじめとした、さまざまな農業資材の普及を行ってきたことにより、多くの農業従事者や専門家と深いかかわりを持ち、知識や技術を蓄積してきました。
また、日本はもちろんですが、世界各国で農業は多くの課題を抱えており、それらを解決するような大きな展望が開かれていないことを実感しています。
「その現状を打破したい」と立ち上げたのが育種事業です。

新種のトマトとワイン用ブドウの育成

トマトの新品種「乙女の涙スウィーティア」の
育成~販売・生産者への支援

2010年、育種家との共同で、新しい品種のトマトを開発しました。雫型をしたフォルム、ベリー系の香りがし、甘味の強いことから「スウィーティア」と名付けました。
現在、直営の畑・香美市香我美町山北「さんさんファーム」で栽培するほか、高知県下の生産者さんに栽培の委託を行っています。

品質基準を満たすために、日々の記録は欠かせません。そして契約農家さんにしっかりと栽培指導を行います。また、現状を把握するために、生産者の皆さんとの意見交換も積極的に行っています。品質を安定させ生産量を増やすためには、課題をクリアしていくことが大切です。

販売普及も育種のスタッフが自ら行います。楽天市場でのネット販売、SNSでの情報発信、小売・量販店への営業活動まで行います。
普及で苦労するのがパッケージデザインや梱包などの仕様です。見た目も大切ですがトマトを安全にお客さまの手元に届けるためには、梱包材の強度にも気を配らなければなりませんし、コストも考えなくてはなりません。でも、お客さまの「美味しかった」「また買います」のうれしい言葉は本当に励みになります。

石灰質の土壌を活用したブドウ栽培

高知がワインの世界的な名産地フランスのブルゴーニュと同様、石灰質の土壌であることに着目し、ブドウの栽培を開始しました。

土壌は申し分ないのですが、高知の多雨多湿な気候は、菌が増えやすく、雨に弱いブドウの栽培には適さないと言われています。
そこで、雨に強くて台風シーズンが来る前に収穫ができる品種のブドウを選びました。
さらに、当社の主力製品である、天然由来の農薬「ICボルドー」と、ブドウの房の上をビニールフィルムで被覆し、雨避けをする「グレープガード方式」を採用し、雨・細菌からブドウを守ることを可能にしました。

このような試行錯誤を繰り返し、高知産ワインの醸造まで展開することに成功しました。2016年にはグループ会社「井上ワイナリー」が設立。育種部門で収穫したブドウを順調に出荷しています。

高知でブドウの栽培を成功させることによって、不可能を可能にし、井上石灰工業が農業分野において、あらゆるサポートができることを実証することにつながっています。

遊休農地の活用

現在育種部門が力を入れているのが、高知県内にある遊休農地の活用です。何年も作物を植えられていない農地をお借りし、地元の皆さんと一緒にトマトやブドウを栽培しています。
育種の事業を通じて、農業と地域の活性化の一助になればと、志高く取り組んでいます。

育種部門の仕事

トマト「スウィーティア」の栽培・販売
・トマトの苗の生育管理
・契約農家への技術指導
・販売促進活動
・出荷作業
・ブランディング
・加工品の開発
・改良のための研究 など

ワイン用ブドウの栽培
・高知県での醸造用ブドウ栽培技術の確立
・ブドウの生育管理
・契約農家への技術指導
・改良のための研究 など

遊休農地の活用
・高知県下の遊休農地を借り上げ、地域の人と作物栽培を行う

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